誰か自分に小説の作法を教えてくださいorz <挨拶
予定より書き上がるのが大幅に遅れてしまったZERO@管理人です。ごきげんよう。
久々に書いたのもありますが、手が全然動かないんですよね。
ちょっと本気でやばいことになってますが、いいや晒しちゃえ。
とりあえず推敲とかしてませんので構成に問題があっても気にしないでください。
そもそも「これは小説ですか?」と問われたら
「ただの文字列です。解読してください」と答えます。
そんな出来なので決して期待はしないように!
あと、もうちょっとコメディ要素入れようと思ってたんですが
書いてるうちに長くなってきたので殆ど削っちゃいました。無駄だったし。
それでも無駄がまだまだ多いのは内緒だよ?(黙れ
えー、正直、本当に暇で暇で仕方ない人くらいしかオススメしません。
「読んで損した!」とか思うのが嫌な人は、このままスルーしちゃってください。
スルー推奨。超推奨。
……本当に、読むんですね?
キモイし意味わからないし、ド素人の書いた駄文ですよ?
後悔する準備は出来ていますか?
準備が出来た人は、以下追記からどうぞ。
予定より書き上がるのが大幅に遅れてしまったZERO@管理人です。ごきげんよう。
久々に書いたのもありますが、手が全然動かないんですよね。
ちょっと本気でやばいことになってますが、いいや晒しちゃえ。
とりあえず推敲とかしてませんので構成に問題があっても気にしないでください。
そもそも「これは小説ですか?」と問われたら
「ただの文字列です。解読してください」と答えます。
そんな出来なので決して期待はしないように!
あと、もうちょっとコメディ要素入れようと思ってたんですが
書いてるうちに長くなってきたので殆ど削っちゃいました。無駄だったし。
それでも無駄がまだまだ多いのは内緒だよ?(黙れ
えー、正直、本当に暇で暇で仕方ない人くらいしかオススメしません。
「読んで損した!」とか思うのが嫌な人は、このままスルーしちゃってください。
スルー推奨。超推奨。
……本当に、読むんですね?
キモイし意味わからないし、ド素人の書いた駄文ですよ?
後悔する準備は出来ていますか?
準備が出来た人は、以下追記からどうぞ。
輝くような鋭い光を浴びて、数時間ぶりの地上へ降り立つ。
「くーっ、やっと着いた。……アロエちゃんは疲れてない?」
「うん、大丈夫だよっ。おにいちゃんの方こそ疲れてるみたいだけど」
確かに、元気いっぱいの彼女に比べて僕は既に疲労感たっぷりだ。
だけど、着いて早々にそんな体たらくじゃみっともない。精一杯の笑顔を作って、
「僕も大丈夫だよ。本当は、箒で飛んで来られたら楽だったんだけど」
空元気だけど、多少はましだろう。
まあ本当は箒でひとっ飛びといきたかったけれど、あいにく僕は魔法が使えないから、こうして飛行機でやって来たというわけだ。
「しょーがないよ。たまにはこういうのも楽しかったから、気にしないで」
それに、箒で飛ぶのは意外と疲れるんだよね。
そう付け加えて微笑む彼女だったが、飛び級でアカデミーに入ってしまうくらいの力があるんだ。その程度で疲れるはずがない。
それがわかってしまうからこそ情けなくて、でも彼女の好意を無にするわけにもいかず。
「とりあえず、一旦ホテルに向かおうか」
その僅かな会話だけで、長旅の疲れは既に気にならなくなっていた。
「え、部屋が空いてない!?」
「はい、申し訳ございません。少々手違いがあった模様でして……」
まさか、いきなりトラブルに巻き込まれるとは思わなかった。
「どうにか、ならないんですか?」
しかし今から別のホテルを探そうにも、観光シーズン真っ盛りのこの時期ではどこも似たようなものだろう。 そう考えて、何とか食い下がってはみたものの。
責任者らしき壮年の男性が出てきて、フロントで何やら話し合っているけれど、どうも会議は難航しているようだ。これじゃ期待は出来ないな……。
そんなことを考えながら待っていると、
「私からも重ねてお詫び申し上げます。この度は、楽しい旅行に水を差してしまいまして申し訳ない」
「いえ、それは構いません。ですが部屋の方は」
少し焦りすぎていたのを窘められてしまう。
「まあ、落ち着いて下さい。こちらの手違いでお客様を追い出すわけにはいきませんから、代わり……と言っては何ですが、一つだけ事情があって空いているお部屋がございます。そちらにお通しする、ということで納得していただけませんか? もちろん、お代は結構です」
腑に落ちないところはあったが、それ以外に手段がないのではどうしようもない。
結局、この妥協案で手を打つことにした。
だが案内されてみると、妥協案なんてとんでもない。
「うわぁ、凄いね。スイートルームってやつかなぁ?」
まず右手から、感嘆の声が上がった。
僕はと言えば、想像を絶する光景を目の当たりにして声も出せなかったのだけれど。
「本来は、ここは客間ではないのです。しかし今回は特例ということで、どうかご内密に」
次いで左手から説明がなされた。 元々ここは、いわゆるVIPルームだそうだ。
だから普通は使われないそうで、仮に使われていたとしても僕には到底使えないであろう華美な部屋だった。慣れるまで、ちょっと時間がかかりそうだ。
「では、ごゆっくり」
二人で使うには広すぎる、その部屋の中心で。僕はこれからの予定を考えていた。
「あのさ、アロエちゃん」
「うん? どうしたの?」
彼女は革張りのソファーに、気持ちよさそうに体を預けていた。
確かに、柔らかくて気持ちいい。
「部屋でゆっくりするのは後にして、ちょっと外歩かない? 買いたいものもあるし」
というのも、ここに来るにあたって僕は殆ど何も持ってきていない。
必要なものがあれば現地で調達すればいい、そう考えて、最低限の荷物しか持ってきていなかった。それは彼女も同じで、二人とも軽装なものだから今から旅行に行くなんて誰にもわからなかっただろう。
……というのは建前で、実は。
今現在、ソファーに深く沈む彼女のフレアスカートの中身が、微かながら見えてしまっていた。
それを眺め続けることは僕には不可能で、かと言ってそれを指摘するわけにも露骨に目を背けるわけにもいかず。苦し紛れに、このような提案をしたのだった。
なんてことは、口が裂けても言えないけれど。
潮風が、すっと吹き抜けていく。
暑さを波のように押し出し、爽やかな磯の香りを運んできてくれる。
「今日、やっぱり来て良かった」
「え?」
「だって、おにいちゃんとこんなにも素敵な思い出が共有できるんだもん。こんな幸せ、他にないよ」
それは、僕だって同じだ。でも、
「まだそのセリフは早いよ。まだまだ、これからだろう?」
「ふふっ、そうだね。楽しみだなー」
潮風が、また吹き抜けていった。
それから間もなく商店街に着き、ショッピングに興じる。
「アロエちゃん、ちょっとこれ買いすぎじゃない?」
「頼りにしてるからね、おにいちゃん」
既に両手いっぱい抱えた荷物を置いて、少しだけ休憩をすることにした。
こりゃあ、もう少し体を鍛えておく必要がありそうだな。
「お土産とかはもう買っちゃったけど、他に必要なものとかある?」
「あ、そうそう。まだ水着買ってないよ」
そう言えば、折角だから僕に選んで欲しいとか言ってたな。
「持ってきてないの?」
「持ってきてはいるけど、アカデミーのだよ。つまんないでしょ?」
いや、つまんないとか関係ないと思うけど。
っていうか、確かアカデミー指定のって白の旧スク水だよなぁ。それはそれで……って、何言ってるんだ僕は?
「そういう趣味があるならそれでもいいけど」
僕の邪な思考をどう読み取ったのか、不敵な笑みを浮かべながらからかうように言う。
断じてそんなことは。と言ってはみたけれど、声が上ずっていたのは隠しようがなかった。
少しぐらい、格好いいところも見せないといけないな。
「ううー」
で、結局。彼女は白のスクール水着を纏っている。
「なんであんなに大きいのぉ? 詐欺だよ、ぜーったい詐欺!」
売っていた水着が、彼女のサイズには合わなかったからだ。
確かにこっちのサイズは大きいと聞いたことはあるけど、まさかあそこまで大きいとは。正直、僕もびっくりだった。
とはいえここはホテルのプライベートビーチだし、そんなに気にしなくてもとは思う。
「まあ、別に誰が見てるわけじゃないし。楽しまなきゃ、ね?」
「……おにいちゃんが見てる」
恨めしそうな目で見られてしまった。
まばらに見える他の宿泊客は全く気にも留めていないようだったが、それ以上に僕に見られるということに引け目を感じていたようだ。
「でも、アロエちゃんは――」
「アロエちゃんは何着てても可愛いよ、ってのは禁止。もう聞き飽きたよ」
すかさずフォローを入れようと試みるが、完全に読まれていた。
あれ、僕ってそんなにワンパターンだったっけ。と、軽く自己嫌悪に陥る。
だがしかし、言いかけた言葉を止めることはできず、
「何着てても可愛いよ。アロエちゃんを見てるだけで、幸せな気持ちになれるから」
何だか中途半端な告白みたいになってしまった。
それを聞いた彼女は一瞬驚いたように目を見開いてから、顔を伏せてしまう。
よくわからないけど、何か気に障ったんだろうか。
「ごめん、それより泳ごう? 折角来たのに、座ってるだけじゃ勿体無いよ」
彼女の手を取り、眼前に広がる――それはどこまでも続いているように見えた――透き通る水と輝く砂浜で支配された世界へ、飛び込んで行く。
限られた時間を慈しむように、はしゃぎまわった。
気付けば陽も傾きかけていて、夕食の時間になっていた。
「……凄いのは、部屋だけじゃなかったね」
「だね。でもいっぱい遊んだから、お腹すいちゃった。いただきまーっす」
部屋に戻り着替えを済ませ、地下に設けられたレストランへと足を運ぶ。
そこで出されたのは、今まで見たことがないような豪華な料理だった。どうやら、これも『お詫び』の一環らしいと、後で聞いた。
「おいしいね、これ」
「うん。どれもこれも、丹精込めて作られてるのがよくわかるよ」
本当は味なんてよくわかっていなかったけれど。
雰囲気は悪くなかったから、良しということにしておこう。
食事中は、今日あったことを中心に、たわいもない雑談に花が咲いた。まあ、たまにはこういうのもいいんじゃないかと思う。
滅多に味わえるものじゃないからね。
「ね、このあたりって夜景が綺麗なんだって。ちょっと見に行こうよ」
ロビーに置いてあったガイドブックを見て、彼女が嬉しそうに言う。
僕としても、その申し出は悪いものではなく、二つ返事でオーケーした。
夜の道を、歩く。
昼間とはまた違った顔を見せる街に期待で胸を膨らませ、絶好のスポットと紹介されていた場所を目指して歩く。
「……」
二人とも、無言だった。言葉を交わす必要などなかった。
ただ一心に、煌めく夜景に心を奪われていた。
「綺麗……」
思わず呟いてしまうのも無理はない。
街の外れにある、今は使われていないという古びた天文台。
人気もなく静まり返ったその場所は、ライトアップされた街並みを眺めるにはうってつけだった。
どうしてだろうか。
「ありがとう。こんなにも素敵な場所に、連れてきてくれて」
永遠に輝いているのではないかとさえ思わせる、その夜景を。
「こんなにも素敵な思い出をくれて、本当にありがとう」
その夜景を眺める、小さく可愛らしい少女を。
これほどまでに切なく、愛おしく感じるのは。
やはり僕は、彼女を妹のような存在として見れなくなってしまっていたのだろうか。
雫が一滴、コンクリートの床を滲ませていた。
ホテルに戻ってから、なんとなく気まずい雰囲気が漂っていた。
夜が明けてしまったら、この地を離れなければならないという惜別の情もあるだろうが。
こと僕に関しては、それだけではない感情が渦巻いていた。
「もう遅いから、そろそろ寝ようか」
時刻は、既に午前一時を回っていた。
「……ねえ、おにいちゃん?」
「うん? どうしたの?」
わざとらしく聞き返してみたが、彼女が何を言い出すかはもうわかりきっていた。
しかし、今の僕に、それを受け入れる資格がどこにあるというのか。
「今日くらい、久しぶりに一緒に寝ない?」
手と手が触れ合うほど近い距離。
それだけ近くに居ながら、何故か途方もなく遠いような気がして。
「今日は、楽しかったね」
「うん。そうだね」
「また来ようね。絶対、来ようね」
「うん。……絶対、来よう」
やっぱり、
僕は、
彼女が……アロエちゃんのことが、好きだ。
「絶対、また連れてきてあげるから」
疑念を、確信に変えて。
今なら自信を持って言える。僕が、彼女を必要としていることを。そして、彼女に必要とされたいと思っていることを。
「それじゃあ、おやすみ」
全身が、柔らかな温もりに包まれている。
「おやすみなさい。……あ、でも、その前に――」
ふわりと、舞うように。
それは、初めて、お互いが重なった瞬間だった。
fin.
「くーっ、やっと着いた。……アロエちゃんは疲れてない?」
「うん、大丈夫だよっ。おにいちゃんの方こそ疲れてるみたいだけど」
確かに、元気いっぱいの彼女に比べて僕は既に疲労感たっぷりだ。
だけど、着いて早々にそんな体たらくじゃみっともない。精一杯の笑顔を作って、
「僕も大丈夫だよ。本当は、箒で飛んで来られたら楽だったんだけど」
空元気だけど、多少はましだろう。
まあ本当は箒でひとっ飛びといきたかったけれど、あいにく僕は魔法が使えないから、こうして飛行機でやって来たというわけだ。
「しょーがないよ。たまにはこういうのも楽しかったから、気にしないで」
それに、箒で飛ぶのは意外と疲れるんだよね。
そう付け加えて微笑む彼女だったが、飛び級でアカデミーに入ってしまうくらいの力があるんだ。その程度で疲れるはずがない。
それがわかってしまうからこそ情けなくて、でも彼女の好意を無にするわけにもいかず。
「とりあえず、一旦ホテルに向かおうか」
その僅かな会話だけで、長旅の疲れは既に気にならなくなっていた。
「え、部屋が空いてない!?」
「はい、申し訳ございません。少々手違いがあった模様でして……」
まさか、いきなりトラブルに巻き込まれるとは思わなかった。
「どうにか、ならないんですか?」
しかし今から別のホテルを探そうにも、観光シーズン真っ盛りのこの時期ではどこも似たようなものだろう。 そう考えて、何とか食い下がってはみたものの。
責任者らしき壮年の男性が出てきて、フロントで何やら話し合っているけれど、どうも会議は難航しているようだ。これじゃ期待は出来ないな……。
そんなことを考えながら待っていると、
「私からも重ねてお詫び申し上げます。この度は、楽しい旅行に水を差してしまいまして申し訳ない」
「いえ、それは構いません。ですが部屋の方は」
少し焦りすぎていたのを窘められてしまう。
「まあ、落ち着いて下さい。こちらの手違いでお客様を追い出すわけにはいきませんから、代わり……と言っては何ですが、一つだけ事情があって空いているお部屋がございます。そちらにお通しする、ということで納得していただけませんか? もちろん、お代は結構です」
腑に落ちないところはあったが、それ以外に手段がないのではどうしようもない。
結局、この妥協案で手を打つことにした。
だが案内されてみると、妥協案なんてとんでもない。
「うわぁ、凄いね。スイートルームってやつかなぁ?」
まず右手から、感嘆の声が上がった。
僕はと言えば、想像を絶する光景を目の当たりにして声も出せなかったのだけれど。
「本来は、ここは客間ではないのです。しかし今回は特例ということで、どうかご内密に」
次いで左手から説明がなされた。 元々ここは、いわゆるVIPルームだそうだ。
だから普通は使われないそうで、仮に使われていたとしても僕には到底使えないであろう華美な部屋だった。慣れるまで、ちょっと時間がかかりそうだ。
「では、ごゆっくり」
二人で使うには広すぎる、その部屋の中心で。僕はこれからの予定を考えていた。
「あのさ、アロエちゃん」
「うん? どうしたの?」
彼女は革張りのソファーに、気持ちよさそうに体を預けていた。
確かに、柔らかくて気持ちいい。
「部屋でゆっくりするのは後にして、ちょっと外歩かない? 買いたいものもあるし」
というのも、ここに来るにあたって僕は殆ど何も持ってきていない。
必要なものがあれば現地で調達すればいい、そう考えて、最低限の荷物しか持ってきていなかった。それは彼女も同じで、二人とも軽装なものだから今から旅行に行くなんて誰にもわからなかっただろう。
……というのは建前で、実は。
今現在、ソファーに深く沈む彼女のフレアスカートの中身が、微かながら見えてしまっていた。
それを眺め続けることは僕には不可能で、かと言ってそれを指摘するわけにも露骨に目を背けるわけにもいかず。苦し紛れに、このような提案をしたのだった。
なんてことは、口が裂けても言えないけれど。
潮風が、すっと吹き抜けていく。
暑さを波のように押し出し、爽やかな磯の香りを運んできてくれる。
「今日、やっぱり来て良かった」
「え?」
「だって、おにいちゃんとこんなにも素敵な思い出が共有できるんだもん。こんな幸せ、他にないよ」
それは、僕だって同じだ。でも、
「まだそのセリフは早いよ。まだまだ、これからだろう?」
「ふふっ、そうだね。楽しみだなー」
潮風が、また吹き抜けていった。
それから間もなく商店街に着き、ショッピングに興じる。
「アロエちゃん、ちょっとこれ買いすぎじゃない?」
「頼りにしてるからね、おにいちゃん」
既に両手いっぱい抱えた荷物を置いて、少しだけ休憩をすることにした。
こりゃあ、もう少し体を鍛えておく必要がありそうだな。
「お土産とかはもう買っちゃったけど、他に必要なものとかある?」
「あ、そうそう。まだ水着買ってないよ」
そう言えば、折角だから僕に選んで欲しいとか言ってたな。
「持ってきてないの?」
「持ってきてはいるけど、アカデミーのだよ。つまんないでしょ?」
いや、つまんないとか関係ないと思うけど。
っていうか、確かアカデミー指定のって白の旧スク水だよなぁ。それはそれで……って、何言ってるんだ僕は?
「そういう趣味があるならそれでもいいけど」
僕の邪な思考をどう読み取ったのか、不敵な笑みを浮かべながらからかうように言う。
断じてそんなことは。と言ってはみたけれど、声が上ずっていたのは隠しようがなかった。
少しぐらい、格好いいところも見せないといけないな。
「ううー」
で、結局。彼女は白のスクール水着を纏っている。
「なんであんなに大きいのぉ? 詐欺だよ、ぜーったい詐欺!」
売っていた水着が、彼女のサイズには合わなかったからだ。
確かにこっちのサイズは大きいと聞いたことはあるけど、まさかあそこまで大きいとは。正直、僕もびっくりだった。
とはいえここはホテルのプライベートビーチだし、そんなに気にしなくてもとは思う。
「まあ、別に誰が見てるわけじゃないし。楽しまなきゃ、ね?」
「……おにいちゃんが見てる」
恨めしそうな目で見られてしまった。
まばらに見える他の宿泊客は全く気にも留めていないようだったが、それ以上に僕に見られるということに引け目を感じていたようだ。
「でも、アロエちゃんは――」
「アロエちゃんは何着てても可愛いよ、ってのは禁止。もう聞き飽きたよ」
すかさずフォローを入れようと試みるが、完全に読まれていた。
あれ、僕ってそんなにワンパターンだったっけ。と、軽く自己嫌悪に陥る。
だがしかし、言いかけた言葉を止めることはできず、
「何着てても可愛いよ。アロエちゃんを見てるだけで、幸せな気持ちになれるから」
何だか中途半端な告白みたいになってしまった。
それを聞いた彼女は一瞬驚いたように目を見開いてから、顔を伏せてしまう。
よくわからないけど、何か気に障ったんだろうか。
「ごめん、それより泳ごう? 折角来たのに、座ってるだけじゃ勿体無いよ」
彼女の手を取り、眼前に広がる――それはどこまでも続いているように見えた――透き通る水と輝く砂浜で支配された世界へ、飛び込んで行く。
限られた時間を慈しむように、はしゃぎまわった。
気付けば陽も傾きかけていて、夕食の時間になっていた。
「……凄いのは、部屋だけじゃなかったね」
「だね。でもいっぱい遊んだから、お腹すいちゃった。いただきまーっす」
部屋に戻り着替えを済ませ、地下に設けられたレストランへと足を運ぶ。
そこで出されたのは、今まで見たことがないような豪華な料理だった。どうやら、これも『お詫び』の一環らしいと、後で聞いた。
「おいしいね、これ」
「うん。どれもこれも、丹精込めて作られてるのがよくわかるよ」
本当は味なんてよくわかっていなかったけれど。
雰囲気は悪くなかったから、良しということにしておこう。
食事中は、今日あったことを中心に、たわいもない雑談に花が咲いた。まあ、たまにはこういうのもいいんじゃないかと思う。
滅多に味わえるものじゃないからね。
「ね、このあたりって夜景が綺麗なんだって。ちょっと見に行こうよ」
ロビーに置いてあったガイドブックを見て、彼女が嬉しそうに言う。
僕としても、その申し出は悪いものではなく、二つ返事でオーケーした。
夜の道を、歩く。
昼間とはまた違った顔を見せる街に期待で胸を膨らませ、絶好のスポットと紹介されていた場所を目指して歩く。
「……」
二人とも、無言だった。言葉を交わす必要などなかった。
ただ一心に、煌めく夜景に心を奪われていた。
「綺麗……」
思わず呟いてしまうのも無理はない。
街の外れにある、今は使われていないという古びた天文台。
人気もなく静まり返ったその場所は、ライトアップされた街並みを眺めるにはうってつけだった。
どうしてだろうか。
「ありがとう。こんなにも素敵な場所に、連れてきてくれて」
永遠に輝いているのではないかとさえ思わせる、その夜景を。
「こんなにも素敵な思い出をくれて、本当にありがとう」
その夜景を眺める、小さく可愛らしい少女を。
これほどまでに切なく、愛おしく感じるのは。
やはり僕は、彼女を妹のような存在として見れなくなってしまっていたのだろうか。
雫が一滴、コンクリートの床を滲ませていた。
ホテルに戻ってから、なんとなく気まずい雰囲気が漂っていた。
夜が明けてしまったら、この地を離れなければならないという惜別の情もあるだろうが。
こと僕に関しては、それだけではない感情が渦巻いていた。
「もう遅いから、そろそろ寝ようか」
時刻は、既に午前一時を回っていた。
「……ねえ、おにいちゃん?」
「うん? どうしたの?」
わざとらしく聞き返してみたが、彼女が何を言い出すかはもうわかりきっていた。
しかし、今の僕に、それを受け入れる資格がどこにあるというのか。
「今日くらい、久しぶりに一緒に寝ない?」
手と手が触れ合うほど近い距離。
それだけ近くに居ながら、何故か途方もなく遠いような気がして。
「今日は、楽しかったね」
「うん。そうだね」
「また来ようね。絶対、来ようね」
「うん。……絶対、来よう」
やっぱり、
僕は、
彼女が……アロエちゃんのことが、好きだ。
「絶対、また連れてきてあげるから」
疑念を、確信に変えて。
今なら自信を持って言える。僕が、彼女を必要としていることを。そして、彼女に必要とされたいと思っていることを。
「それじゃあ、おやすみ」
全身が、柔らかな温もりに包まれている。
「おやすみなさい。……あ、でも、その前に――」
ふわりと、舞うように。
それは、初めて、お互いが重なった瞬間だった。
fin.
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この記事へのコメント
レスです~
>たかさん
すいません、最初は半分冗談で書いてたんですが途中からガチで書いてました。
それでもこの程度なのは察してくださいorz
自分はこういう恋愛ものか、コメディ(ギャグ)系を好んで書きますよ。ファンタジーなんかもたまーに書きますが、ありゃどうも設定作るのが面倒で(ぇー
でも後者は人を笑わせる才能に長けていないので、恋愛もの中心になりますね。適当に書いても何とかなるのでw
アロエがヒロインなのはもう前提なので、そういうもんだと思ってくださいww
>あっきぃ~さん
やっぱり、響きがいいですよねw
実はそういう効果も期待してこの二人称にしたのは……内緒だよ?(黙れと
読者の想像に~と言えば聞こえはいいですけど、実際は単にぼかして書いてるだけというねw
まあ、それも一つの手法なのでしょうが。狙いすぎな感じもします。
あー、やっぱ久しく書いてないだけあるなぁとww
そちらも期待してますよ~w
>セラさん
そんなに褒めると調子乗っちゃいますよ?(馬鹿
実は見切り発車なんですけどね、ある程度それっぽいのが書けたからもういいや~みたいなw
評判も上々なので、こういう書き方は今後も利用しようかと。
妄想はするのは楽しいですけど、いざそれを文章にしようとすると途端に難しくなりますよねorz
そのあたりの表現力がもっと身に着けば、とは思うのですが。
セラさんも今度書いて晒してくださいよww
>サフィアさん
いやいや、自分などまだまだですよ。
でもそう思ってくれるということは、少しは書き方も上手くなってきたようです。昔はそりゃあ酷いもんでしたよw
サフィアさんも創作するなら是非晒してくださいww
5日の件は、そちらのブログにコメント残しておきましたのでよろしくお願いします。
>Ehimeさん
鍵のSSはきついでしょう、原作が原作なのでw
今回のは下手に原作ストーリーがないぶん、単にキャラ借りただけのオリジナルなので……そういう点では、ちょっと楽でした。
てか新ア○パンマン読みたいんですけどw
才能はないですよ、才能あったらもっといいもの書けてますから。
自分なんかでもこれくらいは書けるので、一通りの文章技術さえあれば結構それなりのものは書けるみたいですよ。
あ、アロエは自分の義妹なので、そうなるとEhimeさんは義理の兄ですね。
よろしく、義兄さんwww
>よっこらさん
ん? こっちの名前で統一するんですか?
アロエ可愛いよアロエ。ほんと萌えますよねw
でも18禁になるような続きは書きませんからねww
まあ、同じ字書きとしてはそちらに続きを書いてもらうという方向でどうです?(何
>クラインさん
ちょww近親相姦ってwww
一応、裏設定では主人公とアロエは義理の兄妹ですよ。
や、単に自分が義妹スキーってだけですがw
完成度については賛同しかねますww
まあ、それっぽく書くのは出来るんですよ。本格的に書こうとすると何故かgdgdになるのですがorz
アロエにお兄ちゃん言わせるのはガチですね。ほら義妹だから(しつこい
アンコールはすいませんが当面予定はないです。
時間があれば、気分次第で書くかもしれませんけどw
それでは皆様コメントどうもでした~。
>たかさん
すいません、最初は半分冗談で書いてたんですが途中からガチで書いてました。
それでもこの程度なのは察してくださいorz
自分はこういう恋愛ものか、コメディ(ギャグ)系を好んで書きますよ。ファンタジーなんかもたまーに書きますが、ありゃどうも設定作るのが面倒で(ぇー
でも後者は人を笑わせる才能に長けていないので、恋愛もの中心になりますね。適当に書いても何とかなるのでw
アロエがヒロインなのはもう前提なので、そういうもんだと思ってくださいww
>あっきぃ~さん
やっぱり、響きがいいですよねw
実はそういう効果も期待してこの二人称にしたのは……内緒だよ?(黙れと
読者の想像に~と言えば聞こえはいいですけど、実際は単にぼかして書いてるだけというねw
まあ、それも一つの手法なのでしょうが。狙いすぎな感じもします。
あー、やっぱ久しく書いてないだけあるなぁとww
そちらも期待してますよ~w
>セラさん
そんなに褒めると調子乗っちゃいますよ?(馬鹿
実は見切り発車なんですけどね、ある程度それっぽいのが書けたからもういいや~みたいなw
評判も上々なので、こういう書き方は今後も利用しようかと。
妄想はするのは楽しいですけど、いざそれを文章にしようとすると途端に難しくなりますよねorz
そのあたりの表現力がもっと身に着けば、とは思うのですが。
セラさんも今度書いて晒してくださいよww
>サフィアさん
いやいや、自分などまだまだですよ。
でもそう思ってくれるということは、少しは書き方も上手くなってきたようです。昔はそりゃあ酷いもんでしたよw
サフィアさんも創作するなら是非晒してくださいww
5日の件は、そちらのブログにコメント残しておきましたのでよろしくお願いします。
>Ehimeさん
鍵のSSはきついでしょう、原作が原作なのでw
今回のは下手に原作ストーリーがないぶん、単にキャラ借りただけのオリジナルなので……そういう点では、ちょっと楽でした。
てか新ア○パンマン読みたいんですけどw
才能はないですよ、才能あったらもっといいもの書けてますから。
自分なんかでもこれくらいは書けるので、一通りの文章技術さえあれば結構それなりのものは書けるみたいですよ。
あ、アロエは自分の義妹なので、そうなるとEhimeさんは義理の兄ですね。
よろしく、義兄さんwww
>よっこらさん
ん? こっちの名前で統一するんですか?
アロエ可愛いよアロエ。ほんと萌えますよねw
でも18禁になるような続きは書きませんからねww
まあ、同じ字書きとしてはそちらに続きを書いてもらうという方向でどうです?(何
>クラインさん
ちょww近親相姦ってwww
一応、裏設定では主人公とアロエは義理の兄妹ですよ。
や、単に自分が義妹スキーってだけですがw
完成度については賛同しかねますww
まあ、それっぽく書くのは出来るんですよ。本格的に書こうとすると何故かgdgdになるのですがorz
アロエにお兄ちゃん言わせるのはガチですね。ほら義妹だから(しつこい
アンコールはすいませんが当面予定はないです。
時間があれば、気分次第で書くかもしれませんけどw
それでは皆様コメントどうもでした~。
2006/11/03(金) 08:29 | URL | ZERO #SFo5/nok[ 編集]
おつかれさまです。。。
と、会社で読ましてもらいましたけど、さすがに感想はマズいと思い、自宅からww。
と、かなり完成度高くないですか?SSてもっとグタグタだと思っていたんですが、読み応えありますね。
アロエのお兄ちゃん発言はいいですね。やっぱこれに限りますよ。
でも微妙に近親相姦を感じるのは...え~~~!
面白かったので、アンコールですね。次作もあればよろ~ww
と、会社で読ましてもらいましたけど、さすがに感想はマズいと思い、自宅からww。
と、かなり完成度高くないですか?SSてもっとグタグタだと思っていたんですが、読み応えありますね。
アロエのお兄ちゃん発言はいいですね。やっぱこれに限りますよ。
でも微妙に近親相姦を感じるのは...え~~~!
面白かったので、アンコールですね。次作もあればよろ~ww
2006/11/03(金) 00:56 | URL | クライン #SFo5/nok[ 編集]
とにかくアロエたんモエス!
もちろん続きあるんですよね?
その後のホテルでの●●とか××とか(ry
何はともあれ、ご馳走様でした(意味深に
もちろん続きあるんですよね?
その後のホテルでの●●とか××とか(ry
何はともあれ、ご馳走様でした(意味深に
2006/11/03(金) 00:34 | URL | よっこら #-[ 編集]
KanonやAIRのSSを書いていたかもしれない失格賢者です。
いいですなぁ・・・才能あって。
かつては僕も色々書いた気がしましたが、一番評判が良かったのが「新ア○パンマン」とかいうギャグ物だったというオチもw
この機会にフロッピーにある書きかけ完成させるかなぁ・・・。
と言ってもやらないんだろうケドw
ではでは、楽しく読ませていただきました。
でもアロエは僕の嫁ですよw?
いいですなぁ・・・才能あって。
かつては僕も色々書いた気がしましたが、一番評判が良かったのが「新ア○パンマン」とかいうギャグ物だったというオチもw
この機会にフロッピーにある書きかけ完成させるかなぁ・・・。
と言ってもやらないんだろうケドw
ではでは、楽しく読ませていただきました。
でもアロエは僕の嫁ですよw?
2006/11/02(木) 02:18 | URL | Ehime #ZJmJft5I[ 編集]
いやいや、むしろ、これだけ僕も書けたらいいなと思ってしまいました。
僕もなにか発表できれば・・・
5日ですが、10:00前後に直接ホームに訪れる方法でよろしいでしょうか?
僕もなにか発表できれば・・・
5日ですが、10:00前後に直接ホームに訪れる方法でよろしいでしょうか?
どもーです~。
小説はじっくり読ませていただきましたよ。
最初、何が始まるのか分かりませんでしたが、一通り読んでみると
かなりクオリティーの高い恋愛小説だと思います。
特に後半の、段々とふいんき(何故か変換できないw
が変わっていって、幻想的になっていくところは、
流石はZEROさん!と思いました。
漏れも妄想なんかはダイスキなので、一時期ウェブ小説書いてみようかと思いましたが
未だ実行に移してないですw
また書くときには是非読ませてくださいね~。
小説はじっくり読ませていただきましたよ。
最初、何が始まるのか分かりませんでしたが、一通り読んでみると
かなりクオリティーの高い恋愛小説だと思います。
特に後半の、段々とふいんき(何故か変換できないw
が変わっていって、幻想的になっていくところは、
流石はZEROさん!と思いました。
漏れも妄想なんかはダイスキなので、一時期ウェブ小説書いてみようかと思いましたが
未だ実行に移してないですw
また書くときには是非読ませてくださいね~。
会社の昼休みにまじまじと見させていただきました(をい
ってか「お兄ちゃん」って二人称はこういう小説を犯罪的にまで何かを駆り立たせてしまうのは何故でしょうか?
そして、最後は読み手によってかなり想像力を描き立てられるところ、秀逸ではないかと私は思います。
こりゃ妄想族にとってはたまりませんぜ(ばか
こっちは・・・プロットから書き出しては見たものの、どうも半ばの構成が納得いかないので煮詰めなおしに入っています。
今週末までに書き上げられるかなぁ?
ひょっとしたら土曜の会社で描いているかもしれない(マテ
ではでは。
ってか「お兄ちゃん」って二人称はこういう小説を犯罪的にまで何かを駆り立たせてしまうのは何故でしょうか?
そして、最後は読み手によってかなり想像力を描き立てられるところ、秀逸ではないかと私は思います。
こりゃ妄想族にとってはたまりませんぜ(ばか
こっちは・・・プロットから書き出しては見たものの、どうも半ばの構成が納得いかないので煮詰めなおしに入っています。
今週末までに書き上げられるかなぁ?
ひょっとしたら土曜の会社で描いているかもしれない(マテ
ではでは。
ZEROさんこんばんわ(*゜▽゜)/ゥィッス!
小説読ませてもらいましたよ( ̄ー ̄) ニヤリ
んで感想ですが~
思ったより良くできてるんじゃないかと~(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
ってかまともな恋愛小説じゃん!Σ(・ω・ノ)ノ!
コレを見る限りはZEROさん文章の才能あると思いますよ。(まぁ、似たような小説はいくつでもありますけど~苦笑)
ただ、一つ気になった点を上げると、ヒロインがアロエたんなので年齢的に恋愛小説には少し不向きな感じがしますね。(ストーリー的には結構読んでてのめりこめた)
まぁ、あくまで自分個人の感想なので気に入らなかったらごめんなさいm( __ __ )m
では(= ̄ω ̄=)ノ
小説読ませてもらいましたよ( ̄ー ̄) ニヤリ
んで感想ですが~
思ったより良くできてるんじゃないかと~(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
ってか
コレを見る限りはZEROさん文章の才能あると思いますよ。(まぁ、似たような小説はいくつでもありますけど~苦笑)
ただ、一つ気になった点を上げると、ヒロインがアロエたんなので年齢的に恋愛小説には少し不向きな感じがしますね。(ストーリー的には結構読んでてのめりこめた)
まぁ、あくまで自分個人の感想なので気に入らなかったらごめんなさいm( __ __ )m
では(= ̄ω ̄=)ノ
2006/11/01(水) 18:45 | URL | エンデュミオンのたか #dJEnmy1k[ 編集]
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